ピラティス ワンダチェアという発明。
ピラティス ワンダチェアの特徴。
ピラティスマシンのワンダチェアの特徴。それは
「床から持ち上げてくれる」
ということ。
ドクター中松の発明品ジャンピングシューズ。それは見ただけで、その発明の意図がわかるはず。
ワンダチェアにあってリフォーマーに無いもの。ワンダチェアに合ってキャデラックに無いもの。そいうふうに考えていくと最終的に残る身体感覚は床からのスプリングのサポート。
ワンダチェアは常にあなたを床から持ち上げようとしている。
それは上から踏みつけるための「負荷」ではなく、床反力を拡張させ身体に伝えるため。
その浮力ともいえるような「下からの押し上げ感」を身体で受け取り、どうやって重力から身体を持ち上げておくのかを学ぶマシンだと考えている。
トランポリンやスキーのジャンプ競技など、地面からの床反力からどのように身体を持ち上げるのかを考えればわかりやすい。
重力という床方向への力にあらがうために筋肉を働かせたり鍛えたりをする理論が一般的だ。
でも、部分的な脚力、腕力の強化では下から受ける力を上に利用することはできない。それは力を打ち消してしまう身体の使い方だ。
床からの押し上げ力、床反力をどのように頭のてっぺんまで伝え、反力と対の方向への伸びを生むか。
骨の配列や、関節、重心が整った時にはじめて床反力が身体のなかを貫いて、身体をまさに浮かせようとする。
筋力はこの「浮く」瞬間をキャッチしてからの増幅機にすぎない。
個人的には筋肉を必要以上に働かせないためにワンダチェアを使いたいと思っている。
日常では胴体、あるいは体幹の重さが、適切に配列された足、膝、股関節、手、肘、肩に乗っていることはほとんど無い。
重力と鉛直の方向に身体を適切に配列させるというのは、サポートなしに達成するのは実は至難の技なのだ。
腕立て伏せの姿勢で言えば、足の方が肩より下がるため床に対して体幹は斜めに傾斜してしまう。
しかし、ワンダチェア上にうつぶせになれば身体が床と水平を保ち、上肢の配列がどのように身体を支えているかを観察できる。
ワンダチェアという床からのサポート者の力を、打ち消すのか、それとも身体の中に通すのか。
重力に対し身体を配列させるか、自分に集中してつながれば、ワンダチェアは負荷ではなく、浮力として働いてくれる。