*身体論ノート*

自分らしく生きる 身体と心の整理術まとめ

ピラティスが「哲学」と言われる理由②

私が学んだピラティスには「動き」自体に哲学があります。

 

*エクササイズの目的

*スタートポジション、セットアップと

*呼吸(コア)の動員

*意識する筋肉群

 


ただ片足をあげるだけの動作の中にもこれだけの意識の集中を必要とします。

骨盤や背骨の正確な配列を意識し、呼吸のパターンをマスターし、流れるように動くまで実践していく。

 

これらはすべてのことについて共通する哲学ではないでしょうか?

 

身体だけではない!「動き」の哲学


例えば、大切なプレゼンや研修を控えている時や、新しい事業を始めるなど、これから何かを起こそうとしていること、つまり「動く」時に何を意識したら目標を達成できるでしょうか?

 


例1: 綿密な計画と準備


事業においても計画がなく動き出すという無謀なケースは少ないはずです。


エクササイズで言えばスタートポジションと、各関節、部位のセットアップ。これらが正確に配置されていなければ正しい動作と結果が得られません。動き出してから修正する事は困難で、結局ははじめからやり直すという事態になってしまいます。


例:2 呼吸(コア)の動員


ピラティスは動作を行う前にコアと呼ばれる呼吸によって働く筋肉を動員し、体幹を安定させ、意識を集中して「自分の中に自分がいる」という状態を作り出します。

 

私の好きな言葉で「Your Body Needs You」という言葉があります。直訳では”あなたの身体はあなたを必要としている”になります。

 

あえて「自分の中に自分がいる」と表現すると感覚的にしっくりきます。

 

反対の状態では、「心ここにあらず」の状態。これでは何を行うにも手につかないですよね。例えば、プレッシャーのかかるプレゼンや研修、発表などを前に上がった気持ちを落ち着かせるため自然と深呼吸をすると思います。


しっかり準備をしてもいざ動き出そうという時に、不完全な呼吸で身体や心が安定していないと動き出しから身体が硬くなり、形はできていても正しい動作になりません。


呼吸深く、軸のある人が堂々と話せば、内容以上にそれだけで印象に残るプレゼンになるはずです。

 

例3: エクササイズの目的

 

最も大切なところが目的です。


これは単に筋肉を鍛えましょうとか、腹筋に効くエクササイズです。といった狭い視野の目的ではなく、その動作、または筋肉を使う事によって「あなたに」どんな効果が得られるのか?ということ。

 

エクササイズの肝となる1番達成したい部分です。


そのエクササイズをすることであなたの日常でどんなベネフィットがあるのか。どんな痛みや身体の悩みを解決できるのか?


*胸が丸まっている人は背中を鍛えると姿勢が良くなります

*股関節が固く腰に痛みが出やすい人には、股関節をスムーズに解放し腰の負担を減らすことができます


全てこの目的が明確にイメージができればできるほど、動作や意識の質というものが変わります。ですのでインストラクターもエクササイズをする本人も目的を理解する、または動きの中で実感する事がとても重要です。


ピラティスで間違いやすいのが外見上、教科書どおりにエクササイズを綺麗に出来たという事が目的に変わりやすいです。

 

教科書または資料通りに棒読みをしたプレゼンは人にその意思や目的は伝わらないのと同じです。


動きの中で今どの筋肉を意識して、それが正しく使われているのか、いないのか?

外側からの評価ではなく自分の感覚でそれを感じられているのか?

 

自分が何を達成したいのかを明確にすれば自ずと解決する方法や、成功の方向へと向かいます。

 


ピラティスは体験に基づくプロセスでなければならない」

  

このようにピラティスにはエクササイズを1つ行う中にも、人が動くための哲学があります。

 

身体と心が動くこと、未来に向けた目的に対して行動すること、すべての動きに応用できる哲学がエクササイズの中に詰め込まれています。

 

そして、その効果・結果を求める過程(プロセス)にたくさんの教訓がつまっているのです。 ですので、本を読んでも人から聞いてもこの哲学は得ることができないのです。

自分の身体を通して実践し、体験の中から気づきを得る。

 

こういったことが単なるエクササイズ、学問、健康体操ではなく「哲学」とよばれるのかもしれません。