*身体論ノート*

自分らしく生きる 身体と心の整理術まとめ

座ることは喫煙と同じくらい寿命を縮める!

Sitting is the new smoking.

「座ることは新たな喫煙です。」

 

数年前からこういった言葉を聞くことが増えました。

現代の生活習慣と運動不足に警鐘をならす、わかりやすいフレーズだなと関心しました。

 

なぜ座ることが喫煙なのか?

喫煙とは身体にとって良くない習慣の例えです。たばこ1本では大したことないと思っていても、それを毎日繰り返すことで肺を汚染し寿命を縮めてしまいます。

ですので、「座ることは喫煙と同様に身体に負担を与える悪習慣になり得る」ということです。

 

座っている時というのは、背骨の間に存在する椎間板にかかる負荷が立位の際の8割か9割増えるという研究があるそうです。9割増しって、ほぼ2人分負担です。さらに座っている体勢をみてみましょう。

 

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足首、膝、股関節、背骨、肩。見てお分かりの通り、関節という関節がすべて「曲がり」ます。とくに脊柱(背骨)や股関節周辺には様々な管が通っておりそれらの関節が長時間、曲がりっぱななしになると、流れを阻害してしまい、心臓血管系、内分泌系、神経系、消化器系などに負担を強いることになります。

 

また筋骨格系も立ったり歩いたりする時に身体を支持するための筋肉(特に下肢)が使われずに筋肉の発火が減少、動かない筋肉は硬くなり肩こり、腰痛の原因となります。

 

あなたは毎日どれくらい座っていますか?

朝起きて、朝食を食べます。車、電車、バスにのり、会社につき、PCに向かい一日仕事をする。帰ってきてソファで一息つき、お風呂に入り、SNSやネットサーフィンをして寝る。

これらは全部座って行っていることで、あなたはいつ立っているのでしょうか?現代の生活習慣が座ることをもとに設計されているのは一目瞭然です。ですから、なかなか座ることを回避することができません。

 

私は以前5年ほどコールセンターで働いた経験がありますが、椅子の高さもPCの高さも身体に合わない環境で12時間業務にあたることが週5で続きました。その頃はなるべく1時間に1回は席を立ってオフィス1周歩いて身体を動かすようにこころがけていました。

しかし、「このままでは身が持たない」と冗談抜きで寿命が縮んでいる実感がありました。ですので、座らなくて良い仕事をしようと思いピラティスのインストラクターに転職をしました。


1時間ごとに体を動かすことができれば、乳癌のリスク、大腸CA、脳卒中、糖尿病、高血圧を減らすことができるともいわれます。

座りがちであることは、肥満や喫煙と同じくらいあなたの健康に大きなリスクをもたらします。

3年間で222,000人を超えるオーストラリアを対象としたオーストラリアの調査研究では、1日11時間以上座っていると、1日4時間未満座っていた人と比較して、今後3年間で死亡するリスクが40%増加することがわったそうです。

 

そして、残念なことは、「中程度の強度の運動は、毎日の座りがちな時間の量が増加したときに健康にほとんど影響を与えなかった」ということです。

 

これは運動不足のために運藤をはじめる方が多い反面、相対的に座り時間が長ければ健康のためにしている運動の効果が半減、または無効化されてしまうということです。

 

生活活動量を増やすことも一つの手。

現在、新型コロナウィルスのため外出自粛、休業されている方が多いと思います。通勤のための外出も行わず、スポーツジムに行くなどもできないなかで、さらに「座る」時間が長くなっています。

そこでどの様に運動効率を上げていくか。まずはざっくりでよいので今の生活を振り返ってみましょう。あなたは何時間座っているでしょうか?

「そんなに長く座っていない」「運動している」という自覚がある方ほど、意外に座り時間が長かったりします。自己評価ではなく、客観的事実として1日でどれくらい座っているのか記録してみてください。

 

そして、「生活活動量を増やす」ことから取り組んでみてははいかがでしょうか?

 

生活活動量とは、運動以外の日常生活で行う活動のことです。掃除などの家事、通勤のための歩行、階段の上り下りなど。

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https://www.qlife.jp/dictionary/item/i_050315000/

(運動の指標についてはこちらの方を見ていただけるとなんとなくわかるかと。)

 

運動でプラスの活動を増やしても、座ることででマイナスの活動が増えてしまっては効率が悪くなります。ですので、座る時間を減らすことで運動をしていると同様の効果を得ていると思ってみてください。

アメリカ心臓協会アメリカスポーツ医学会による運動の推奨は、中程度の強度の運動を週に150分、通常は30分x週に5日と推奨されています。

 

外出自粛を求められている現状で、上記のような運動を自宅の中で行うことは環境の問題からも難しいかと思います。ですので、生活活動量を増やすことを意識してみてほしいです。

 

・車で行っていたところには自転車、徒歩で行ってみる。

・エレベーター、エスカレーターは利用しない!階段を利用する。

・Web会議など立って行える場所にPCを移動してみる。

・子供と本気で遊んでみる。

・家事をいつもより速いペースやってみる。

・模様替えをする(配置がかわることで脳や身体のパターンを変える)。

 

などなど、これは例ですが、普段の生活の中にある生活活動量に着目して座る時間を減らせるように取り組んでみましょう。

 

ピラティスをしましょう。

なぜピラティスがおすすめか?

それは、在宅でもマット1枚のスペースでできますし、偏った筋肉の使い方が修正されます。ピラティスでは上記のような”心拍数”や、回数、時間といった指標よりも、正しい関節の動き、姿勢などが重要視されるため少ない回数でも効率的に、座り姿勢で負担がかかっている身体を修正していくことができます。

 


Pilates "livingroom pilates" Reformer Foot Work

 

座っていることで「曲がって」しまった関節をすべて「伸ばす」方向に使うエクササイズです。ピラティスにはこのように重力に対抗するような「伸びる」エクササイズがたくさんあります。

 

ピラティスは生活活動の一部としても取り入れることができますし、運動という観点からも効率的なエクササイズです。

是非ピラティスを在宅の生活の中に取りいれてみてください!